中村桂子さんの『生命の灯となる49冊の本』で紹介されていた一冊です。23歳で戦死された詩人 竹内浩三さんの詩と絵の作品集です。
冒頭の「五月のように」は愛の温度があって、太陽があるので、まず心を掴まれます。みんな浩三さんのことを好きになってしまうと思います。編者のよしだみどりさんが選んだのかな?とても素敵なはじまりです。
秋から冬へは寒く、寂しくなる気がします。四季をもって、感情をもって、2022年のわたしの気持ちは彼の言葉の近くに浮かびます。
日常が戦争でいっぱいなのにずっと創作されたそうです。やめないという意志の詩もありました。
作品が壊されないように宮沢賢治の本をくり抜き、中にはめ込みお姉さんに送ったとありました。受け取ったお姉さんも、その後の人も、ずっと大事にしたのでわたしも読めるというのに感動しました。
「雲(二)」という詩も好きです。(一)は載っていませんでした。雲の自由なことをうたっているので、浮かびますが、悲しくもなります。
ひとつひとつが素直で、人間が好きで、笑わせてくれて、愛される人です。
読めて嬉しいです。彼は23歳で亡くなっているので伝えれないですが、ありがとうございます。忘れないようにします。